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[AI/IoT ブログ] 第10回: 半導体のプロセス開発を実験からシミュレーションに

| 投稿者: tut_staff

今日は、電気電子工学科の高木です。

 我々の身の周りには、スマホやパソコンなど半導体を使った製品が溢れています。こうした半導体は、設計通りの動作をさせるため、Si基板上に微細パターンを形成して製造されます。製造に関わる一連の工程は半導体プロセスと呼ばれ、その多くの工程にプラズマが使われています。

プラズマは、気体に高電圧を印加することで気体中の電子が原子・分子と衝突し、イオンや原子に分解されて生成されます。雷やオーロラは自然界で発生するプラズマです。分解されてできたイオンや原子は他の粒子との反応性が高く、短時間にSi基板表面に微細パターンを形成します。

ここで、微細パターンを形成するのに適したプラズマを生成するためには、実験により動作条件を適正化する必要があり、多く時の時間とコストが投入されています。これに対し、プラズマのシミュレーションとAIの一つである遺伝的アルゴリズム(AI/IoTの第5回)を使ったプラズマ動作条件の適正化を試みています。

まだ、プラズマモデルも単純で、適正化できるパラメータも限られていますが、プロセス条件を、遺伝的アルゴリズムとプラズマシミュレーションの組合せで適正化する仕組みを開発しました。さらに発展できれば、「プロセス開発は実験室でなく計算機で」となるかもしれません。研究の詳しい内容は、202212月に開催される国際学会International Symposium on Semiconductor Manufacturing (ISSM2022)で発表の予定です。

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