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[AI/IoT ブログ] 第4回 : シミュレーションとAI

| 投稿者: tut_staff

こんにちは。電気電子工学科の新海です。

AIや機械学習というと、文章や文字(テキスト)、画像などを扱ったものが多いのですが、
いろいろな適用先に拡大しようという研究が少しずつ進んでいます。

コンピュータシミュレーションってわかるでしょうか?
力、熱、電磁界、流体、などなど、物理法則にのっとって、いろいろな物理現象を計算机上で再現するものです。
産業界でも、様々なシステムや機器の研究や開発になくてはならないものになっています。

このコンピュータシミュレーションをAIで手助けする研究をしています。
といっても活用法はいろいろあります。
“モノ”の形状を最適化する、というのが、もっとも成果をあげているAI的方法です。
最近始めたのは、AIでコンピュータシミュレーションの計算精度をよくする、もしくは計算時間を短縮するといった研究です。

コンピュータシミュレーションはとても役立つものですが、
大規模なもの、複雑なものを計算すると、膨大な時間がかかります。
例えば、何日も時間がかかために、いまひとつ活用できない(間に合わない!)ということもあります。

下の絵は、とある機械内部の流れの分布を示しています。
左側は計算精度のよい結果です。
右側は短時間で計算できるようにモデルを変更したものです。短時間になった代わりに計算精度を犠牲にしています。
AIに助けてもらい、右側の計算時間で、左側なみの計算結果を手に入れたい!という虫のいい話を考えているわけです。

Simu1 

シミュレーション結果を機械学習させた優秀な学習モデルをつくっておけば、
実際シミュレーションしなくてもよい結果が予測できるということになります。
機械学習にはGNN(グラフニューラルネットワーク)を使っています。
と言ったって、そんなに簡単にいくわけないですよね。
挑戦中です。よい結果が出たらまたご紹介したいと思います。

ちなみに、この研究は共同研究で行っています。
分野の異なる方もいて、なかなかおもしろいです。

 

 

 

 

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