[AI/IoT ブログ] 第5回: 遺伝的アルゴリズム(AI)を使った革新的な設計手法
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今日は、電気電子工学科の高木です。
皆さんは、700系の東海道新幹線を御存じでしょか? 鉄道ファンの間では「カモノハシ」と呼ばれているタイプで、今では多くの新幹線がこの形をしています。新幹線を高速化するための課題の一つが、トンネルに突入する時に発生する衝撃音で、これを小さくするための先頭形状が、精力的に研究されました。
開発に当たって使われたのが、AI(Artificial Intelligence)の一つである遺伝的アルゴリズムです。遺伝的アルゴリズムは生命の進化をコンピュータの計算方法(アルゴリズム)に取り入れた方法です。生物は、オスとメスの交配、突然変異、淘汰といったことを繰り返し進化します。新幹線の突入音が小さくなるように、音が小さくなる形状を組み合わせる(交配)、音が大きくなる形状を排除する(淘汰)、これまでと異なる形状を導入する(突然変異)、を交互に繰り返して最適化形状を探していきました。こうして、設計されたのが700系の先頭形状、中心が細くなるそれまでの形状とは、まったく異なる形状になりました。
高木研究室では、高効率モータの開発、高出力な半導体レーザ、加工速度の速い半導体プロセス装置の開発に、遺伝的アルゴリズムを活用しています。遺伝的アルゴリズムを使って300~1000ケースの計算を行い、最適化形状(最も進化した形状)を2~3に絞り込み、試作して性能を評価しています。
7月17日のオープンキャンパスでは、モータ効率を高める設計に遺伝的アルゴリズムを使った計算例と、実際に試作したモータを展示します。興味のある方は、是非、オープンキャンパスにお越し下さい。
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