[AI/IoT ブログ] 第10回 : インフラIoTその2 の続き
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こんにちは。電気電子工学科の新海です。
インフラIoTの一例として、高電圧電力ケーブルの劣化診断のお話をしました。その続きです。
経年劣化で絶縁耐力が低下してくるとケーブルのシースや被覆(カバー)で部分放電が起き始めます。そうなったら、いち早く検知し、交換や保守をうまく進める必要があるわけです。
簡単に、安く、安全に、AIの力も借りて、誰でも診断できるようなシステムを目指して研究しています。
磁界を使った非接触の電流センサを使って、負荷電流を測定します。その中に含まれる微小なコロナ電流信号を分離してあげる必要があります。
測定波形をそのままAIに読ませて異常度を診断することも試しましたが、初期の部分放電は微小で、周波数やタイミングもランダムなため、簡単ではありません。AIの前のデータ処理を工夫することが重要です。
比較的うまくいきそうなのがウェーブレット変換を使った方法です。周波数スペクトルって聞いたことあるでしょうか? 波形の中にどんな周波数成分が含まれているかという情報を示します。ウェーブレット変換は少し精度は落ちるのですが、周波数スペクトルの時間変化を求めることができます。
図のように、ウェーブレット変換で時間と周波数と強度の3つの情報を含んだカラーマップを作り、AIによる画像診断に持ち込めないかなと考えて研究中です。宝探しみたいなものですね。(宝じゃなくて異常ですが。。。)
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