[AI/IoT ブログ] 第 8 回:AIを活用したモータ制御
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こんにちは、電気電子工学科の高木です。
皆さんは、制御という言葉を聞いたことがありますか?
聞いたことが無くても、毎日の生活でいつもお世話になっています。例えば、エアコンの冷房温度を26℃に設定すると、センサが温度を測定して26℃より低くなると、冷房を弱めるあるいは止めて26℃を目指します。26度を超えた時はこう逆の動きをします。このようにある値を一定状態に持つために、機器の運転状態を調整するのが制御です。今の状態を測定し、次の運転状態に反映させるのでフィードバック制御と呼ばれています。
電気自動車(EV)には主に永久磁石同期モータと呼ばれるモータが使われ、フィードバック制御により回転状態を調整しています。アクセルとブレーキの操作に対応してモータの回転数を増加したり、減少したりすることで、EVが加速、減速します。高木研究室では、モータ制御をより早く、エネルギー効率の高い状態にするため、図1の実験装置を用いて制御の研究を行っています。
これまで、フィードバック制御を使って、外乱が加わった時の反応を評価してきました。実際のEVでは、例えば、平地から登り坂とうい外乱が発生することに対応しています。2020年度からは、フィードバック制御にAIを組み合わせた新しい制御方式の研究に取り組んでいます。AIを使って目標値への到達を早くしたり、発生した外乱に対してモータ動作の効率が最大となる目標値を算出したりする機能を付加しています。
図2は実験結果の一例で、外乱が加わった時の回転数の低下を低減し、回復時間を短縮化する試みです。AIを加えることで、回転数の低下が抑制され、回復時間の短縮が図られています。今後はAIとフィードバック制御を組合せ、モータの効率を高める研究にチャレンジしていきます。
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