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[AI/IoT ブログ] 第 6 回:コンパクトなモデルの設計と解析

| 投稿者: tut_staff

こんにちは,電気電子工学科の美井野です.

第1回のブログで紹介した通り,私の研究テーマは AI や IoT の基本単位である「数理モデル」の解析です.基本単位ということで,「いかにコンパクトなモデルで世の中の不可思議な現象を捉えられるか」という視点でのモデル設計にも取り組んでいます.

コンパクトなモデルを考えることにはどのような意味があるでしょうか?

簡単なロードマップとしては,次のような例が考えられます.

  1. AI/IoT を含む大規模システムの不具合(不安定な動作,最適でない値への収束)を観測する
  2. 不具合を観測できるコンパクトなモデルを設計する
  3. 設計したモデルを解析し,不具合の根本的な要因をさぐる
  4. 得られた知見を元の大規模システムに還元する

すなわち,複雑に入り組んでいて手も足も出ないシステムも,適切に部分分解すれば手も足も出せるようになるのです.


昨年末に,電子情報通信学会の国際会議「2020 International Symposium on Nonlinear Theory and its Application」[1] や 米国電気電子学会 IEEE のワークショップ [2] にて不安定動作を示す最小構成の回路を公表しました.

現在,中京大学の研究チームと合同で回路設計・解析に取り組んでいます.上記ロードマップのステップ 3. に相当する部分です.

このステップでうまく解析ができれば,AI/IoT を始めとした様々な大規模システムで生じる不具合の検知や回避に役立つ見込みです.

Compact

[1] Yuu Miino, and Tetsushi Ueta, "Devil's staircase and multistability in a hybrid harmonic oscillator," Proceedings of 2020 IEICE NOLTA, Virtual, pp. 501-504, Nov. 2020.
[2] Yuu Miino, and Tetsushi Ueta, "An RLC circuit with a switch giving rich nonlinear phenomena," Proceedings of 2020 IEEE NCN, Tokushima, Japan, pp. 84-87, Dec. 2020. 


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