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2021年7月

2021年7月28日 (水)

オープンキャンパスで電気電子工学科の教育と実験、研究、プロジェクト紹介

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

718()に、東京工科大学のオープンキャンパスが、対面で行われました。コロナ感染の予防に配慮し、参加者を予約者限定とし、マスクを着用し、大学での滞在時間を決めるなど十分な対策が取られました。昨年はすべてオンラインでの実施でしたので、2年ぶりの対面開催となりました。

電気電子工学科では、以下の展示を行いました。

  1. 教育・実験内容の紹介
    電磁誘導、直流送電の実験実演
  2. 研究施設・研究室の紹介
    半導体を試作するクリーンルームと特性評価措置
    AIを活用した「じゃんけん」対決
  3. ワイヤレス給電による電気自動車の走行充電
  4. プロジェクトの紹介
    電気自動車(EV)プロジェクト
    AI/IoT×電気電子プロジェクト

当日は、蜜を避けるため、参加者を3グループに分け、展示を順に回る方法をとりました。また、希望者にはEVプロジェクトでレースに出場したカートにも試乗してもらいました。順番に回るため各展示に対する時間制限はありましたが、実際の実験、研究設備、プロジェクト活動を見ていただくことができました。

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2021年7月21日 (水)

[AI/IoT ブログ] 第7回 : 斜面監視に関するインフラIoTの取り組み

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

私の担当する研究室で取り組んでいるインフラIoTのテーマの1つに斜面監視があります。このテーマは研究室での最初のインフラIoTの取り組みであり、沖縄県の株式会社 南伸様との産学共同研究を進めてきました。

更に昨年から同じ斜面監視ではありますが、異なる機器・条件に関連した産学共同研究を株式会社ファストリンクテック様と「簡易斜面監視システムの開発」として開始しました。

現在、天野研の大学院生 Mさんが斜面監視に関連した研究に取り組んでいます。その中で塩ビパイプに様々なセンサーを詰め込んで継続的に計測する準備をしています。多数のセンサーを接続するためにかなりがっしりとした装置ができあがりつつあります。私も先行して取り組んできた研究でいくつかの試みをしてきましたが、今回はそれらを上回る詳細なデータの計測を目指しています。せっかくなので私も大学院生とは違う機器構成で同種の装置を作っています(申し訳ありませんが、現時点ではいずれも中身はお見せできませんので写真はただの塩ビパイプになってしまいました...)。

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研究室で取り組んでいるインフラIoTに関する研究では初段階はいささか過剰なデータ計測をしています。どんなデータがどれぐらい分析に有益かを知ることが目的なので、余分にデータをとって様々な分析をしてみます。ここで余分というのは対象によってセンサーの種類・数・場所・期間など様々です。計測範囲が広いままだとコスト・消費電力の面で課題が多いので、最終的には余計な部分をそぎ落として最小化した計測手段を検討します。Mさんの取り組みはこの初段階に相当しています。

私が試作しているのは継続計測・通信を目的とした試行で計測データは少なくなります。その分だけメンテナンス間隔を長くすることができるので実用性という面では優れていると期待しています。これだけだとデータ量が足らないので何をどれぐらい計測すればよいのかがはっきりとしません。あくまでもこの時点では補助的な位置づけになります。

実はまだこの私の方の取り組みをMさんに話していないので、このブログで知られてしまいますね...。Mさんの計測を優先した装置と私の試作した通信を優先した装置を比較・様々な面から評価して、その結果をいずれまたブログに掲載したいと思います。

2021年7月14日 (水)

固体電池を使って電子機器の電源を全固体化する研究を始めました

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

皆さんは、TVのリモコンやラジオで、乾電池が液漏れして使えなくなった経験はありませんか? おそらく、誰もが一度や二度は経験していると思います。乾という言葉とは異なり、乾電池には電解液という液体が使われているためです。

こうした液漏れを無くすため、電解液の代わりにセラミック材、半導体を使った固体電池の研究が進んでいます。固体電池は電子機器だけでなく、大容量の電気自動車のバッテリとしても期待されています。しかしながら、現状では電子機器用の小型な固体電池が市販されているレベルです。

高木研究室では、2019年から東芝マテリアル(株)との共同研究で半導体薄膜を使った固体電池(半導体蓄電池)の研究を行っています。今回、市販の固体電池(セラチャージ)を入手し、両者の特性を比較しながら、電子機器の電源に適用する研究を始めました。

固体電池と太陽電池を組合せ、太陽光で発電した電力を固体電池、半導体蓄電池に蓄え、夜間でも使えるようにします。液漏れがなくなり、電池交換が不要な全固体素子の電源を開発し、屋外で使われるIoT端末や電子機器に展開できると考えています。

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2021年7月 7日 (水)

[AI/IoT ブログ] 第 6 回:コンパクトなモデルの設計と解析

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こんにちは,電気電子工学科の美井野です.

第1回のブログで紹介した通り,私の研究テーマは AI や IoT の基本単位である「数理モデル」の解析です.基本単位ということで,「いかにコンパクトなモデルで世の中の不可思議な現象を捉えられるか」という視点でのモデル設計にも取り組んでいます.

コンパクトなモデルを考えることにはどのような意味があるでしょうか?

簡単なロードマップとしては,次のような例が考えられます.

  1. AI/IoT を含む大規模システムの不具合(不安定な動作,最適でない値への収束)を観測する
  2. 不具合を観測できるコンパクトなモデルを設計する
  3. 設計したモデルを解析し,不具合の根本的な要因をさぐる
  4. 得られた知見を元の大規模システムに還元する

すなわち,複雑に入り組んでいて手も足も出ないシステムも,適切に部分分解すれば手も足も出せるようになるのです.


昨年末に,電子情報通信学会の国際会議「2020 International Symposium on Nonlinear Theory and its Application」[1] や 米国電気電子学会 IEEE のワークショップ [2] にて不安定動作を示す最小構成の回路を公表しました.

現在,中京大学の研究チームと合同で回路設計・解析に取り組んでいます.上記ロードマップのステップ 3. に相当する部分です.

このステップでうまく解析ができれば,AI/IoT を始めとした様々な大規模システムで生じる不具合の検知や回避に役立つ見込みです.

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[1] Yuu Miino, and Tetsushi Ueta, "Devil's staircase and multistability in a hybrid harmonic oscillator," Proceedings of 2020 IEICE NOLTA, Virtual, pp. 501-504, Nov. 2020.
[2] Yuu Miino, and Tetsushi Ueta, "An RLC circuit with a switch giving rich nonlinear phenomena," Proceedings of 2020 IEEE NCN, Tokushima, Japan, pp. 84-87, Dec. 2020. 


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