電気自動車のバッテリを走りながら充電する走行充電の研究を始めました
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こんにちは、電気電子工学科の高木です。
環境に優しい自動車として、エンジン車から電気自動車へのシフトが進んでいます。電気自動車のさらなる普及に向け、課題となっているのがバッテリとその充電方法です。電気自動車では1回の充電での走行距離が400km前後で、エンジン車の2/3~1/2以下となっています。また、エンジン車の給油時間が10分未満であるのに対し、電気自動車では30分で80%の充電と長くなっています。
こうした問題を解決するため、走行しながら充電する方法が検討されています。実現されれば、充電スタンドに停止する必要もなく、設置個所が増えれば充電スタンドを探す必要もありません。走行充電の利点が評価され、NEXCO東日本さんから、将来の高速道路として、プレス発表も行われました。
高木研究室では、2018年から東芝マテリアさんと、充電時間が短く容量の大きいWO3新型蓄電池の実用化研究に、取り組んでいます。通常のLiイオン蓄電池の負極材料をカーボンからWO3に改良することで、高速充電と大容量化を実現しています。充電器を短時間で自動車が通り過ぎていく走行充電では高速充電が必要で、さらにバッテリの軽量化という点から大容量化が重要です。これら両方の性能を有するWO3蓄電池は、走行充電に最適です。
そこで、走行充電に必要な小型なワイヤレス給電装置を購入し、WO3蓄電池に充電する実験を始めました。他のバッテリに対する優位性が確認できており、8 月に開催される電気学会産業応用部門大会で一連の結果を発表します。
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