[AI/IoT ブログ] 第 3 回 : 最新のAI・最適化ソフトmodeFrontier導入
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こんにちは、電気電子工学科の高木です。
新しい製品を開発したり、現行製品の性能を高めたりする時に使われるのが最適化という手法です。最適化手法が使われたとして知られているのが、新幹線の先頭車両の形状です。新幹線では、列車速度を高めたいというニーズが常にありますが、その一方で高速化するとトンネル突入時に衝撃音が発生するという問題が起きます。
それまでの新幹線の先頭車両はロケットのような円錐型をしていました。この形状を最適化する目的でAIの1つである「遺伝的アルゴリズム」が使われ、高速走行でも衝撃音の低い先頭形状が導き出されました。現在の新幹線に使われているのは下側が長い「カモノハシ」と呼ばれている形状で、高速走行で衝撃音が小さい「最適」な形状となっています。
高木研究室では、これまでにも「遺伝的アルゴリズム」を使って効率の高いモータ形状を研究開発してきました。研究成果の1つは、5月27日に開催される国際学会ECCE-Asia2021で発表し、東京工科大学のHP(工学部電気電子工学科AI研究事例ビデオ)にも動画を公開しています。
AI・機械学習を活用した最適化手法にはいくつかの種類があります。こうしたAIと最適化手法の研究を飛躍的に進化させるため、AI・機械学習・最適化に特化した最新のソフトウェア「modeFRONTIER」を5月25日に導入しました。
当研究室には、熱気流解析ソフト「STREAM」と「FloTHERM」、電磁場モータ解析ソフト「JMAG」、プラズマ解析ソフト「PEGASUS」、パワエレ回路シミュレータ「PSIM」、量子計算化学ソフト「nextnano」などなど、電気電子工学の解析に必要なソフトが揃っています。今後、これらのソフトと「modeFrontier」を組合せ、AIを活用した最適化の研究を勢力的に進めます。
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