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2021年5月

2021年5月27日 (木)

[AI/IoT ブログ] 第 3 回 : 最新のAI・最適化ソフトmodeFrontier導入

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

新しい製品を開発したり、現行製品の性能を高めたりする時に使われるのが最適化という手法です。最適化手法が使われたとして知られているのが、新幹線の先頭車両の形状です。新幹線では、列車速度を高めたいというニーズが常にありますが、その一方で高速化するとトンネル突入時に衝撃音が発生するという問題が起きます。

それまでの新幹線の先頭車両はロケットのような円錐型をしていました。この形状を最適化する目的でAIの1つである「遺伝的アルゴリズム」が使われ、高速走行でも衝撃音の低い先頭形状が導き出されました。現在の新幹線に使われているのは下側が長い「カモノハシ」と呼ばれている形状で、高速走行で衝撃音が小さい「最適」な形状となっています。

高木研究室では、これまでにも「遺伝的アルゴリズム」を使って効率の高いモータ形状を研究開発してきました。研究成果の1つは、527日に開催される国際学会ECCE-Asia2021で発表し、東京工科大学のHP(工学部電気電子工学科AI研究事例ビデオ)にも動画を公開しています。


AI・機械学習を活用した最適化手法にはいくつかの種類があります。こうしたAIと最適化手法の研究を飛躍的に進化させるため、AI・機械学習・最適化に特化した最新のソフトウェア「modeFRONTIER」525日に導入しました。

当研究室には、熱気流解析ソフト「STREAM」と「FloTHERM」、電磁場モータ解析ソフト「JMAG」、プラズマ解析ソフト「PEGASUS」、パワエレ回路シミュレータ「PSIM」、量子計算化学ソフト「nextnano」などなど、電気電子工学の解析に必要なソフトが揃っています。今後、これらのソフトと「modeFrontier」を組合せ、AIを活用した最適化の研究を勢力的に進めます。

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2021年5月12日 (水)

[AI/IoT ブログ] 第2回 : インフラIoT

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

私の担当するセンシング技術活用研究室で行っている研究の中核は「インフラIoT」の分野です。

インフラの老朽化や異常気象などの要因から、インフラの点検・モニタリング(監視)は非常に大きな役割が期待されている分野です。適切に点検・モニタリングすることで安心・安全な生活を守ることができます。例えば下の写真のような斜面で地すべりの予兆を把握できれば、避難したり、通行止めにするといった施策をとることが可能です。

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センシング技術活用研究室では斜面のように日本・世界中に無数にあるインフラを実用的に点検・モニタリングできるようなシステムの実現を目指しています。具体的には

  斜面の地すべり監視
  構造物の劣化検出
  コンクリート板の検査
  住宅における振動計測とその応用

など、様々な企業との共同研究(記事1記事2記事3など)として取り組んでいます。

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これらの研究では無数にあるインフラへの適用を想定し、簡単かつ少ない消費電力で実現することを目指しています。このシステム構成はIoTそのものです。また、AI/機械学習は微細な情報をフレキシブルに活用することができるとても強力な分析手段となっています。

先日、斜面監視に関する産学官共同研究に関連し、実験候補地の現地調査をさせていただきました(最大限の新型コロナウイルス対策をとりました。ご協力いただいた皆様ありがとうございました)。こういった実地検証には様々なステークホルダーが存在します。そういった様々な方々と対面・Web会議を通じて情報交換できることも共同研究の楽しみの一つです。

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