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[AI/IoT ブログ] 第 1 回:シミュレーション工学と AI/IoT

| 投稿者: tut_staff

こんにちは,電気電子工学科の美井野です.
AI/IoT ブログ第 1 回となる本日は私の研究内容を紹介します.

私の研究では,数値計算(いわゆるシミュレーション)による現象解析を行っています.数理モデルから直接はわからないシステムの挙動も,コンピュータによるシミュレーションを通して特徴を捉えることができます.私の ホームページ でいくつかのシミュレーションを体験できますので,興味があれば覗いてみてください.

さて,AI や IoT も,その根幹には「数理モデル」が存在しています.

例えば,AI のいくつかは「ニューラルネットワーク」という概念に基づいています.さらに,ニューラルネットワークは「ニューロンモデル」と呼ばれる数理モデルの組み合わせで成り立っています.また,IoT についても「ハイブリッドオートマタ」という記法で表現できますが,その基本単位は IoT でつながっている「モノ」の数理モデルです.

私のシミュレーションでは,これら最小単位の数理モデルを解析しています.


中でも一定の成果を収めているものが「ニューロンモデル」の解析で,シミュレーションを通してそれまでに発表されていなかった全く新しい現象(同期発火現象に伴う動作の不安定化)を発見しています.この現象はニューラルネットワーク,ひいては AI の安定動作に影響する他,人体におけるニューロンの運動にも関係すると考えられています.

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from [1] Yuu Miino, and Tetsushi Ueta, "Synchronized bifurcation in the two-coupled Izhikevich neuron model," Proc. of 2016 IEICE NOLTA, Yugawara, Japan, pp. 354-357, Nov. 2016.


他方で,次の図のような IoT に関する研究も構想しており,車の運動モデルについて着手していく予定です.この研究課題の将来的な応用分野としては「自動運転技術」や「経路選択最適化」などが挙げられます.運動モデルの解析を通して,より最適な状態への制御が実現できる見込みがあるのです.

Cps


AI/IoT に関する研究はそのアプローチも様々ですが,私の研究はいわば「足元を整える研究」です.一見地味かもしれませんが,大変やりがいのある仕事です.

技術は一日にして成らず,いろんな角度から研究する人がいて初めて成り立ちます.

私の研究が,皆さんにとって身近な技術の「礎」となる日を目指して,これからも研究に励んでいきます.

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