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2020年7月

2020年7月31日 (金)

苦節3年!電気自動車用モータのベクトル制御を研究する装置が稼働

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

2017年度から4名の卒研生の卒業課題を通して立上げてきたモータ制御の実験装置PE-Expert4が稼働し始めました。電気自動車の制御方式として使われているベクトル制御の実証実験を本格的に始めました。

電気で回転するモータにはいくつかの種類がありますが、現在、最も注目されているのが永久磁石同期モータ(PMSM)です。制御性に優れ、高効率であることから電気自動車やエアコン用モータとして使われています。PMSPの駆動回路では、現在の回転状態をモニタし、次の動作をインバータに指令する最新のベクトル制御が使われています。こうした制御に必要なハードウェアとソフトウェアの研究開発するのがPE-Expert4です。

高木研究室では、2017年から卒研生がこの装置の立上げと研究を始めました。最初にトライした安藤君は、装置を段ボールから出して机に並べて配線を試みましたが、ソフトの研究に興味が移り、制御シミュレーションを卒研テーマとしました。2018年の岩田君は、半年間かけて配線を終え、制御信号が出力されるところまで進めました。後半には、評価用ソフトを使って回転状態のモニタ信号が得られるようになりました。装置ハードの特性評価を研究テーマとしました。2019年の石田君は、評価用ソフトをもとに、モータを回転させるベクトル制御ソフトの研究開発にトライしました。そして、卒研終了間際に、ベクトル制御でPMSMを回転させることに成功しました。

こうして稼働し始めたPE-Exper4でしたが、保護回路が過剰に働き、すぐに停止するという問題点がありました。2020年の平野君は、定格容量が5kWのインバータを9kWのインバータに変更することで安定動作に成功し、ベクトル制御に重要なパラメータをリアルデータとして取り出し記録できるようにしました。シミュレーションに留まっていた制御アルゴリズムの研究が、実験装置でも検証できるようになりました。今後は、ソフト・ハードの両面間からのアプローチし、多くの学会発表や論文掲載を目指します。

装置立上げを通して、ハードとソフト面からベクトル制御の基礎研究を進めてくれた卒研生の皆さんに心から感謝します。

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2020年7月30日 (木)

産学連携に基づいた研究成果を用いた学習フィードバック

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

私の担当するプログラミングの演習授業ではpaiza社との産学連携を行っています。この連携に関連し、早期に学習成果を推定する研究も行ってきました。このような教育支援分野でのデータ分析とインフラの点検・監視に関するIoTのデータ分析には、手法の上では通じるものがあるので、私の中では一定の関係性を持って両方の研究を進めています。

今回、予めデータ分析について同意を得た学生について、学期末に向けてその成果に基づいた学習状況の分析を行い、その結果を通知しました。

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分析結果は上のグラフで青い点で表されていて、この値が高いほど学習の改善を推奨するという意味になります。今回は、昨年度までのデータに基づいて行った研究結果とこれまでの教育経験とから赤い線に示すようなしきい値を設定しました。

昨年度までは教室でスタッフが様子を見ながら感覚的に捉えられるところもありました。今回は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの実施となりましたので、どうしても個々の学生の様子を把握できない部分があります。これについては課題に対するフィードバックなどでの取り組みは別にありますが、今回の分析でそれを少しでも補えていれば幸いです。

2020年7月19日 (日)

バーチャルオープンキャンパスにおける相談実施と試み

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

バーチャルオープンキャンパスでオンライン相談窓口を担当しました。訪問していたいだ皆さんありがとうございました。こちらもいろいろなお話を聞くことができて、とても参考になりました。

今回、せっかくなので窓口会場へいろいろと機材を持ち込みました。

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三脚+Webカメラ+サブディスプレイによって、カメラの撮影距離を少し遠ざけて適度な距離をとり、カメラの高さをこちらの目線の高さと合わせ、視線がカメラから逸れないように設置しました。

ソフトウェア面では、説明用資料をシームレスに映すため、配信ソフトウェアを用いて用意したスライドを背景に合成しました。これでスライドページを前後させるだけで必要な資料をすぐに投影できます。最初の画像はオープンキャンパス当日の片柳研究所棟の外観(移動しながら撮影しました)で、説明内容に応じて用意した資料に適当なものがあれば切り替えて説明しました。

結果として想定通りに機能しました。しかし、いささか過剰機材であったようで、設置にかなり時間を要しました。もっと簡略化しないと他の教員へもお勧めできそうにありません...。

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