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2016年8月

2016年8月30日 (火)

共同研究開始のお知らせ(崖・橋などを簡易・広域に監視し安心安全を実現するシステムの実現)

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

センシング技術活用研究室(天野直紀研究室)では、沖縄の建設コンサルティング企業である株式会社 南伸様と共同研究を開始しました。

崩落・倒壊などの危険のある斜面・崖、電柱といったインフラについて、広域の監視システムを構築し、得られるデータを用いて危険を予測します。第1段階として、直近の危険を予測して警告を行うことと、整備計画に必要となる情報を提供することを目指しています

Figv3_2

共同研究の概要キーワード的にいえば、IoT、センサーネットワーク、エネルギーハーベスティング(エネルギーの地産地消)、機械学習いった最新技術を用いた観測・予測システムの構築となります。

もともとこのような事柄について考えていたところに、南伸様からちょうど似たようなお話がありました。そのためか、相互の理解も速やかで、たいへん短期間で合意に至りました。先日は八王子までお越しいただいて、試作した計測装置をご覧いただき、計画の妥当性や将来性を話し合わせていただきました。いろいろと展望や夢もありますが、まずは第1段階の内容として、観測装置の実現と試験運用を通じた各種のデータを得ることを着実に実行することに注力します。

この研究では、対象によらずに利用できるような汎用性があり、安価な計測装置を開発し、今回の試験対象以外にも幅広い監視対象を同一プラットフォームで監視できるような試みを考えています。一方で装置に依存せず、また計測範囲が拡大してもシームレスに扱えるようなデータ分析・予測システムを実現することとします。

この試みは、人の安全・安心を確保しつつ、効率的に社会インフラの維持を行うといった意味でサステイナブル社会の実現を目指す一環でもあります。進捗については適宜、報告していきますので、電気電子工学科ブログをご参照ください。

2016年8月 7日 (日)

パワーエレクトロニクスの本の執筆を終え、来年2月の出版を予定しています

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

岩崎通信機(株)さんと1年間に渡り書き続けてきたパワーエレクトロニクスの本の執筆が終わりました。題名は「これでなっとく パワーエレクトロニクス」で来年の2月頃に(株)コロナ社から出版の予定です。

昨年の4月に着任し、3年生後期にパワーエレクトロニクス(以下、パワエレ)の講義を担当することになりました。いくつかの本を読みましたが、なかなか良い内容の本が見つかりませんでした。パワエレ分野で大御所と言われる先生にも相談してみましたが、「いい本が無いんだよね」という答えでした。

良い本がみつからなかったのは、パワエレ回路からモータ駆動への関連付けと、計測方法について書いた本が無かったからです。パワエレの最大応用先はモータ駆動です。エアコンなどの家電製品、鉄道車用、ハイブリッドカーと多くの製品にこの技術が使われています。パワエレは、図に示されるように、基礎となる回路系、応用先のパワー系、両者を制御する制御系が融合した分野です。出版されている多くの本は、黒点線の回路系、あるいはモータと制御を扱った本に分かれています。

そこで、赤点線で示すように回路系と、回路を使ったモータ駆動を関連付けた内容の本を執筆しようと考えました。また、計測については、計測機器メーカの岩崎通信機さんに相談したところ、本の執筆を快諾して下さいました。コロナ社さんに出版をお願いし、昨年の7月末から執筆を進めました。

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着手時には、1ヶ月に1章のペースで進め、約1年で執筆を終える計画を立てました。最初は計画通りのペースで進みましたが、2015年の後期には複数の講義があり、ペースを維持するのが難しくなりました。また、岩通計測さんと執筆分担を決めたり、スタイルを統一したりすることが必要となり、何度も編集会議を開催しました。コロナ社さんの励ましにも支えられ、ほぼ計画通りの7月末に執筆を終えることができました。

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今後は、コロナ社さんを中心に本の編集が進みます。読みやすいレイアウトとなることを期待しています。原稿の見直しや校正作業も残っていますが、とりあえずは、「これでなっとく パワーエレクトロニクス」222ページの執筆が終わりホッとしています。

2016年8月 4日 (木)

新しい展示の予定(コミュニケーションロボット)

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

87日のオープンキャンパスでは、これまでの人が乗れる搬送ロボット(電動台車)に加えて、新たに現在構築中のコミュニケーションロボットの展示を行う予定です。

Commrobot

このロボットはNexusRobot社の製品をベースに、様々な実験に用いるためのフレームワークとして構築しているところです。現在、卒業研究では指向性スピーカーを用いた対話に関するテーマを扱っている学生がいますので、最終的にはこのロボットで実験を行います。

今回の展示ではその基本動作のデモンストレーションとして、人との簡単な会話を実現し、センサーの活用例を示しています(この展示では指向性スピーカーは用いてません)。

ロボット自体がバッテリー(電源)、モーター、制御コンピューター、各種センサーと電気電子技術の塊、集大成でもあります。人とロボットの共生はもはや間違いなく近い将来に一般的なこととなりますが、そのときに人のことをロボットが知ることが重要です。そのための技術はセンサーを中心としたものであり、これは本研究室の主要研究テーマの1つです。

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