未来のクルマを作り出すパワーエレクロトニクス
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こんにちは、電気電子工学科の高木です。 電動化の流れの中で、国内のある自動車メーカは大胆な方針を立てています。ガソリンを燃料とるすエンジンカーを大幅に減らし、HVやプラグインハイブリッド(PHV)、燃料電池車(FHC)、EVに転換する計画です。クルマの電動化は急速に進み、2050年に製造されるガソリン車は10%未満になると予想されています。これにより、車からのCO2の排出量を90%減らし、環境に優しいクルマ社会を実現します。 我々の研究室では、インバータを使ったモータの速度制御、停止時にモータを使って発電する研究に取り組んでいます。速度を落とす時にモータを発電機として使い、運動のエネルギーを電気のエネルギーに変換して回収します。エネルギー回生と呼ばれる技術で、エネルギー再利用で省エネを実現します。展示会に参加し、我々の研究の重要性を痛感しました。
幕張メッセで開催されたテクノフロンティア(TECHNO-FRONTIER)2016に参加してきました。メカトロニクス・エレクロトニクス技術の展示会で、モータ、バッテリー、センシング、IoTなど、幅広い分野の製品・部品の展示ブースが並んでいました。
モータで動く電気自動車(EV)、ハイブリッドカー(HV)のカットモデルが展示されていました。クルマの内部構造が分かるようにカットしたモデルで、周りには大勢の人が集まり、関心の高さが伝わってきました。こうしたクルマが注目されるのは、今後は、エンジンからモータへの電動化が急速に進むためです。
電動化でキーになるのが、モータを駆動・制御するパワーエレクトロニクスです。EVやHVを動かしているのは、インバータと呼ばれる電子回路とモータです。使われるモータは、いくつものコイルを巻いたケース(ステータ)の中に、回転する永久磁石(ロータ)配置したブラシレスDCモータです。
インバータを使って電流を流すコイルの位置を切り替え、導通コイルの位置がロータの周りで回転するようにします(回転磁界)。永久磁石であるロータは、導通コイルの回転に引っ張られて回転します。インバータはその周波数を自由自在に変えることができ、周波数を変えて導通コイルの切り替え速度を可変し、モータの回転数を制御します。