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4年生が学会発表を目指しています。~省エネカーで使われるエネルギー回生技術の研究~

| 投稿者: tut_staff

こんにちは、電気電子工学科の高木です。

環境に優しい自動車として、エンジンからモータへの電動化が急速に進んでいます。エンジンを無くしてCO2の排出を削減するだけでなく、電動化によるエネルギーの有効活用が期待されています。国内のある自動車メーカでは、ほとんどのクルマを、電気モータを使ったハイブリッドカー(HV)や電気自動車(EV)、燃料電池車に置き換え、2050年までにCO2排出量を90%削減する計画を立てている程です。

電動化の省エネでキーとなるのが、回生と呼ばれる技術です。自動車を減速・停止する時に、モータを発電機として回転させ、走りの運動エネルギーを電気エネルギーに変換します。得られたエネルギーは蓄電池に蓄えられます。これまでの機械ブレーキでは、熱として捨てられていたエネルギーを、回収して再利用します。

回生用の蓄電池として、電気二重層コンデンサとリチウムイオン電池が使われています。ここで重要なのが、蓄電池と回路及び減速制御とのマッチングです。電気二重層コンデンサは短時間に大量の電力を蓄えられますが、トータル容量は少なくなります。リチウムイオン電池は、容量は大きいものの短時間の大容量充電には適していません。こうした違いに着目した制御や回生回路の研究開発が重要です。

回生によるエネルギーの回収率は30%程度という報告もあり、一層の向上が必要です。モータテーマの研究用に加・減速を自由に制御する実験セットを導入しました。これを使って、回生効率を高める回路と減速時制御の研究を行います。東京工科大学の工学部が目指すサステイナブル社会の実現にも貢献できるテーマです。

一連の結果をまとめて、12月に開催されるパワーエレクトロニクス学会の「若手のための研究発表会」での発表を目指します。当日は1分の口頭発表と、1時間のポスター説明があります。学会発表の雰囲気をつかむため、7月には、電気学会開催のモータドライブ研究会にも参加してもらいます。学会発表を目標に、回生技術のテーマで卒業研究を進めます。

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