マイクロ・スマートグリッド実験装置
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こんにちは電気電子工学科の新海です。
前回に引き続きエネルギー関連の実験装置について紹介します。今日は、電力システムの実験装置です。
エネルギー自給率や環境負荷の観点から再生可能エネルギーを増やすことは大切ですね。そのためには、「再生可能エネルギーによる発電」だけでなく、「電力システム全体との調和・連携」や、「電力システム全体をどのように進化させていくか」ということも非常に重要になります。
でも、家庭や学校の電気を止めて、電力システムの実験をすることはできませんね。そこで、通常はコンピュータシミュレーションで研究が行われてきました。しかし、各種の再生可能エネルギー・蓄電池・パワーエレクトロニクス機器など、電力システムから見て素性のよくわからないものが、今後どんどん増えていきます。研究ツールとして実験装置が有効になるはずです。
現在、巨大な電力システムを100万分の1程度のスケールで模擬したマイクロ・スマートグリッド実験装置を開発しています。これを使って電力システム全体の安定性の実験をしたり、再生可能エネルギーや変換装置を接続したり、直流送電連携など、いろいろな実験を研究室でできるようしようとしています。
装置全体は壮大な計画ですが、このうちの一部は2年後期や3年前期の学生実験でもやってもらう予定です。
写真は、この装置の重要アイテムである現在開発中のモータージェネレーター(マイクロ同期発電機)です。大型火力発電所の発電機を100万分の1くらいの出力で模擬したおそらく世界で唯一の発電機です。(株)昭和電業社さんと共同開発しています。
三相100Vでこんなきれいな正弦波が出てくるようにコイルの最終調整中です。
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