センサーによるスポーツ支援
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こんにちは、電気電子工学科の天野です。
先日、調査課題のためやってきた学生から質問を受けているときに、ボウリングのファールセンサーについての質問がありました。一般に身近かどうかはともかく、私にとってはたいへん身近な例ですが、これまで授業等で例として説明に使っていなかったことに気づかされました。
というわけで、まず先週は「キャンパスのボウリング場」という記事を書きました。
今回は本題?のファールセンサーの話です。
ボウリングのレーン(ボールが転がっていくところ)にはオイルが塗ってあります。スポーツ・ボウリングではこのオイルの状態と変化を把握することがたいへん重要となってきます。時間経過とボールが転がる度にオイルの状態は少しずつ変わります。どの位置で曲がり始めるか、どれぐらい曲がるか、といったことを予測しながら投げるわけです。
そんなレーンに対し、足を踏み入れることはルールで禁じられています。レーンに踏み込んで戻ると、このオイルが靴やアプローチについてたいへん危険でもあります。アプローチからレーンにはみ出すことをファールといい、ボウリング場のレーンには必ずファールセンサーがついています。はみ出すと「ぶっぶー」とブザーが鳴る仕組みです。
ボウリング場によっては普段はセンサーを切ってあることも多々あるようですが、ファールは0点となります。多くの場合、光(赤外線)発光素子と受光素子を用いた通過センサーとなっているようです。
受光素子は常時、発光素子から発せられ光を受光していますが、間を遮られるとこの受光が途絶れます。反射板を用いている場合には到達時間が短くなることも考えられます。これらにより何かが通過したかどうかを判断できる仕組みです。単純ですが確実性が高く、いろいろなところで同じ原理のセンサーが用いられています。
スポーツでのセンサーの活用といえば、タイムを測定する計時装置がもっとも普及しているものと思いますが、センサーが急速に小型化・省電力化・高精度化しているので、これからはもっといろいろなセンサーを用いたスポーツ支援が出てくるものと期待できます。そういった分野にも活躍できるように、学生にはいろいろと学んでもらいたいところです。
追記:
このセンサーの写真を撮るために、学内のボウリング場へ行ってきました。その際のスコアは図のようにあまりよいものとはいえませんでした...。
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