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ネパールの電力事情

| 投稿者: tut_staff

電気電子工学科の新海です。

ネパール大地震から5日目、15歳の少年が救出されました。よかったですね。

命を落とされた多くの方々のご冥福をお祈りします。

 

まずは人命優先ですが、電力などの社会インフラがどの程度ダメージを受けているかも気になるところです。

 

18年くらい前にネパールに行ったことがあります。夕食に行こうとホテルから町にでるとあたり一面真っ暗でびっくりしました。毎日、朝と夜、停電するとのことでした。外国人の泊まるホテルは小さなディーゼル発電機で照明だけはなんとか維持しているようでした。日本でも東日本大震災の後、東京電力の計画停電の時期がありましたが、ネパールでは日常的に電力が不足し、毎日計画停電が行われていました。この状況は18年たった今もあまり変わっていないようです。

 

ネパールの電力は9割以上を水力発電でまかなわれています。グリーン(再生可能)エネルギー比率が大変高い国です。ヒマラヤ山脈を背後に控え豊富な水資源がある国です。しかし、必ずしもネパール国民が望んだ結果ではないと思います。非常に貧しい国です。火力や原子力の燃料を輸入したり、設備を維持することが難しいんです。日本のODA(政府開発援助)などでも水力発電所を建設していますが、まだまだ足りないようです。

 

しかし、ネパールの商業ベースで可能な水力発電量は5300kWとのデータがあります。(東京電力の発電量に匹敵します)。それに対し2010年での発電量はわずか50kWです。99%が未開発ということです。電源開発が進み、隣接する工業大国インドに電力を送ることができれば、ネパールの人達の大きな力になるのではないでしょうか。時代がネパールの人達に追いついてきたということでしょうか。むろん、水力はグリーンエネルギーといっても、その開発は自然環境を損なう面もあり、注意は必要ですが。

 

こんなところでも、日本のサステイナブル技術がイニシアティブを取れるといいですね。

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