苦節3年!電気自動車用モータのベクトル制御を研究する装置が稼働

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こんにちは、電気電子工学科の高木です。

2017年度から4名の卒研生の卒業課題を通して立上げてきたモータ制御の実験装置PE-Expert4が稼働し始めました。電気自動車の制御方式として使われているベクトル制御の実証実験を本格的に始めました。

電気で回転するモータにはいくつかの種類がありますが、現在、最も注目されているのが永久磁石同期モータ(PMSM)です。制御性に優れ、高効率であることから電気自動車やエアコン用モータとして使われています。PMSPの駆動回路では、現在の回転状態をモニタし、次の動作をインバータに指令する最新のベクトル制御が使われています。こうした制御に必要なハードウェアとソフトウェアの研究開発するのがPE-Expert4です。

高木研究室では、2017年から卒研生がこの装置の立上げと研究を始めました。最初にトライした安藤君は、装置を段ボールから出して机に並べて配線を試みましたが、ソフトの研究に興味が移り、制御シミュレーションを卒研テーマとしました。2018年の岩田君は、半年間かけて配線を終え、制御信号が出力されるところまで進めました。後半には、評価用ソフトを使って回転状態のモニタ信号が得られるようになりました。装置ハードの特性評価を研究テーマとしました。2019年の石田君は、評価用ソフトをもとに、モータを回転させるベクトル制御ソフトの研究開発にトライしました。そして、卒研終了間際に、ベクトル制御でPMSMを回転させることに成功しました。

こうして稼働し始めたPE-Exper4でしたが、保護回路が過剰に働き、すぐに停止するという問題点がありました。2020年の平野君は、定格容量が5kWのインバータを9kWのインバータに変更することで安定動作に成功し、ベクトル制御に重要なパラメータをリアルデータとして取り出し記録できるようにしました。シミュレーションに留まっていた制御アルゴリズムの研究が、実験装置でも検証できるようになりました。今後は、ソフト・ハードの両面間からのアプローチし、多くの学会発表や論文掲載を目指します。

装置立上げを通して、ハードとソフト面からベクトル制御の基礎研究を進めてくれた卒研生の皆さんに心から感謝します。

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産学連携に基づいた研究成果を用いた学習フィードバック

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

私の担当するプログラミングの演習授業ではpaiza社との産学連携を行っています。この連携に関連し、早期に学習成果を推定する研究も行ってきました。このような教育支援分野でのデータ分析とインフラの点検・監視に関するIoTのデータ分析には、手法の上では通じるものがあるので、私の中では一定の関係性を持って両方の研究を進めています。

今回、予めデータ分析について同意を得た学生について、学期末に向けてその成果に基づいた学習状況の分析を行い、その結果を通知しました。

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分析結果は上のグラフで青い点で表されていて、この値が高いほど学習の改善を推奨するという意味になります。今回は、昨年度までのデータに基づいて行った研究結果とこれまでの教育経験とから赤い線に示すようなしきい値を設定しました。

昨年度までは教室でスタッフが様子を見ながら感覚的に捉えられるところもありました。今回は新型コロナウイルスの影響でオンラインでの実施となりましたので、どうしても個々の学生の様子を把握できない部分があります。これについては課題に対するフィードバックなどでの取り組みは別にありますが、今回の分析でそれを少しでも補えていれば幸いです。

バーチャルオープンキャンパスにおける相談実施と試み

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

バーチャルオープンキャンパスでオンライン相談窓口を担当しました。訪問していたいだ皆さんありがとうございました。こちらもいろいろなお話を聞くことができて、とても参考になりました。

今回、せっかくなので窓口会場へいろいろと機材を持ち込みました。

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三脚+Webカメラ+サブディスプレイによって、カメラの撮影距離を少し遠ざけて適度な距離をとり、カメラの高さをこちらの目線の高さと合わせ、視線がカメラから逸れないように設置しました。

ソフトウェア面では、説明用資料をシームレスに映すため、配信ソフトウェアを用いて用意したスライドを背景に合成しました。これでスライドページを前後させるだけで必要な資料をすぐに投影できます。最初の画像はオープンキャンパス当日の片柳研究所棟の外観(移動しながら撮影しました)で、説明内容に応じて用意した資料に適当なものがあれば切り替えて説明しました。

結果として想定通りに機能しました。しかし、いささか過剰機材であったようで、設置にかなり時間を要しました。もっと簡略化しないと他の教員へもお勧めできそうにありません...。

低温プラズマ科学研究センターの共同研究テーマに今年度も採択されました

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 こんにちは、電気電子工学科の高木です。

 昨年度、名古屋大学低温プラズマセンターが主催するプラズマの共同研究に採択されたのに続き、2020年度も共同研究テーマとして採択されました。

 

 高木研究室では、エネルギー応用の1テーマとしてプラズマ応用に取り組んでいます。プラズマは、気体に高い電圧を加えることで、分子が原子やイオンに分解された状態です。自然界で見られる雷やオーロラもプラズマです。分解された原子やイオンは、そのままでは不安定で、元の分子に戻る、あるいは他の原子と反応しようとします。こうした(化学)反応を利用して、半導体を製造するプロセスに利用されています。

 

 名古屋大学の低温プラズマ科学研究センターから共同研究の募集があり、高木研究室からは、プラズマシミュレーションで応募し、採択されました。昨年度は、Arというガスを使って生成されるプラズマに対し、シミュレーションと実験結果の比較を行いました。この結果をまとめ、2020年9月に名古屋で開催予定の国際学会ISPlasma (International Symposium on Advanced Plasma Science) への投稿を行いました。残念ながら、学会はコロナ禍のため、中止となりましたが、現在、この結果を論文にまとめ投稿しています。

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今年度は、2019年度の研究をさらに発展させ、半導体プロセスに使われるSF6ガスのプラズマを対象に、実測結果と比較しながら、シミュレーションルの高精度化を目指します。

共同研究で得られた成果が半導体プロセスの発展に寄与できることを期待しています。

サーマルカメラ利用の試み

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

サーマルカメラを利用する簡易体温計測装置を作ってみました。もちろん世の中にはしっかりとした製品が販売されています。先日、買い物に行った店頭には実際に設置されていました。とはいえ、自作してみるのは勉強になりますし、なにより私の元々の研究分野はロボットビジョンですから、これは半ば息抜きのようなものです。

当然、これは体の表面温度を計測するものです。後期に私が担当しているセンサー工学の授業で、他の体温計などとの比較対象にもできます。実用性はともかく、センサーの働きを示すのにはちょうどよい事例が一つできました。

もともとセンサー工学の授業でデモンストレーションしたり、開発した装置の発熱状態を確認するために用意していたUSB接続のサーマルカメラをPCに接続し、PC内蔵のカメラ画像と並べて表示しています。設定値以上の温度を検出したらアラート音声を鳴らすようにしています。音声自体はWindows標準の音声合成機能を用いています。

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カメラ画像の中央付近がサーマルカメラの視野とおおよそ合うようにしてあるので、その範囲で顔を検出したときのみ機能するようにしました。開発PCではそれでよかったのですが、このタブレットPCでは処理速度が追いつきませんでした...。仕方がないのでこの機能はOnOffできるようにしました。

実は計算負荷は大きな問題です。仮に処理が追いついたとしても発熱や消費電力が多いということですし、同じ処理をどうやって軽減するかというのはサステイナブル工学の視点からは決しておろそかにできません。後日、顔検出処理を再検討してみようと考えています。

2019年度卒研成果の紹介

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

ブログ記事を絶やさないように孤軍奮闘気味なのですが、新型コロナ以前から書こうと思っていた内容を思い出しました。

センシング技術活用研究室での昨年度(2019年度)の卒研成果の紹介です。現在、研究室の中核となっているインフラ関連はIoT・計測監視システムなので動きがなく、動画映えしない?ので、それ以外のテーマの中から動画資料があって、面白い3点を選んで紹介しています。

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この動画で紹介しているのは以下の3つの卒業研究での成果抜粋となります。動画で見せている内容それ自体が卒業研究ではありませんが、こんなこともできているんだな、と関心を持ってもらえそうな部分を抜粋しました。

 ・移動ロボットKobukiを360度カメラThetaで制御(八木さん)
 ・アイトラッカーを用いた学修障害者向けの教材(矢口さん)
 ・デスクトップ型アームロボットDobotによる軽作業の自動化(新藤さん)

 

研究紹介を実施しました

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

先日、電気電子工学科では新入生向けの研究紹介を実施しました。これは毎年恒例となっている行事です。ここでの研究紹介を経て、次の課題へと進みます。今回は10名の教員が順にGoogle Meet上で5分間ずつ、研究室で行っている研究の概略を説明しました。

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写真はそのときのMeet画面キャプチャ(3 x 3で9名分、自分の発表はキャプチャを撮れませんでした...)です。

新入生の皆さんには授業とは違う、教員の別の面を知ることができたものと思います。

 

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オンデマンド型研究実験の実施

| 投稿者: tut_staff

こんにちは、電気電子工学科の天野です。

キャンパスへの立ち入りが制限されている中、大学院生の実験にも影響があります。部分的には部品を郵送して自宅で製作・検証していますが、研究室でないとできない継続的な計測実験もあります。

ある大学院生が自宅で開発・検証を進めてきた結果、研究室に設置してある装置のプログラムの更新が必要となりました。学生は来校できないので、ソースコードを送ってもらって、申請を出して入校した私が代わりに装置への書き込みを行いました。

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オンデマンドという言葉を辞書で調べると、「要求に応じて」といった意味が出てきます。大学院生からの要求に応じて実施したので、これはまさにオンデマンド型の実験実施だと言えるのではないでしょうか。誰もいない研究室で1つ1つプログラムを書き込んでいくのはいささか寂しいものがありましたが...。

ちなみにこの装置は無線LANに接続しているので、プログラムさえ書き換えればよくて、データはサーバーに送られ、学生が自宅から解析が可能です。

ゲームブック風動画による疑似実験の試み

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こんにちは、電気電子工学科の天野です。

本学ではオンラインでの講義が始まっています。私が今学期に担当する科目の中には実験もあります。実験をオンライン化するとはどうすればよいのだろうか、いろいろと考えていたらゲームブックを思い出しました。

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ゲームブックはコンピューターゲームやテーブルトークRPGにおけるダイナミズムを、次に読むべきページを指示に従って変えることで実現しているものです。「右に進むならばP.100へ、左ならP.123へ」とあって、左へ行くことにしたならば、左に進んだときのことが書いてあるP.123を読みます。

写真は私が1989年頃に購入した書籍です。捨てちゃったかなぁと思いながら探してみたらありました。さすがに30年以上も経過して、こうして役に立つとは思いもしませんでした。人生では何が役に立つかわからないものです。

実験を通じて学ぶことの一つを選択とその結果の観察であると考えると、ゲームブックと動画との類似性があります。実験の様子を動画のクリップとして用意し、選択に応じて次に見る動画を変更すればよいのです。Youtubeでは終了画面で次に見る動画の候補を指定できるので、この機能を使うことにしました。例えば、あるセンサーの接続を2通りあるので、そのどちらかを学生が選び、そのときの結果を動画で観察するといったことを実現してみました。

この方法の難点は多数の動画クリップを必要とすることです。現実的な範囲でしかありませんが、できるだけ実際に学生の選びそうなシチュエーションをいろいろと撮影して用意しています。

次は学生からのリクエストに基づいて動画を撮影するという真の?オンデマンド型も試みたいと考えています。

ちなみにこの実験は後日、スクーリングという形で実機を用いた実験も予定しています。

NTT東日本 BBXマーケティング部と電柱の保守・活用に関した研究に着手

| 投稿者: tut_staff

こんにちは、電気電子工学科の天野です。

大学のお知らせに掲載しましたように、昨年から密かに進めてきた東日本電信電話株式会社(NTT東日本) BBXマーケティング部さまとの共同研究について、NDAを締結しました。

電柱の保守・活用に関したビジネス実現のための多面的に研究を実施していく予定です。

 

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